2005年9月22日No.05-01


発行:民放労連北陸信越地方連合会


第68回定期大会を開催


9月3日〜4日、民放労連北信越地連の第68回定期大会が福井市で開催されました。

大会では民放労連本部の井戸書記長が「民放は放送と通信の融合、デジタル化への流れの中で大きな岐路に立っている。放送の本質である公共性(国民の誰もが放送を受けられること)をもう一度考え、社会的責任を果たさなければならない」と挨拶、また先日旗揚げした北信越地連OB会の八田氏が、企業の合理化による技術伝承の衰退やメディア規制にもとられる法律施行の危険性に触れ、「マスコミに働く一人一人の責任は重い」と訴えかけました。

 地連からは春夏闘情勢の説明に続いて、三日市委員長が次期の闘いについて3つの方針を掲げ、満場一致で採択されました。

@放送の社会的責任の上にたつメディアとなり、真の地上デジタル放送を目指そう!

A一歩踏み込んだ「いのちと心の健康を守る」取り組みは、我々の手で!

B社会を育てる労働運動を実現、連帯意識を高めた強い組織をつくろう!

 

 課題続々と!

単組報告と2日目に行われた自由討論では、次のような報告と議論が展開されました。

他人事とせず、しっかりとした知識と思想を持って団結することが大切です。

 <賃金・評価制度について>

・成果主義賃金体系が導入されたが、他部署を同じ土俵で評価することに無理があるし、自分の評価ばかり考えて、得にならないことは誰もやらなくなった。

・上司によって評価の説明の丁寧さが異なることに不満。その査定に至った経緯、どの段階でどの評価が出ているのかをしっかり説明するよう求めている。

・管理職によって評価が変わるような制度はおかしい。テレビ新潟では評価制度を導入する話が出ているが、会社側では、今の状態では無理があるという判断がされているようだ。

・評価制度を導入している会社では、無意味だと感じている管理職も大勢いるはず。相対評価だと部署の仕事にランクを付けることになるし、個人主義に走ると他人のことは気にしなくなる。失敗しそうな人がいても気にしないような会社に魅力はないし、根拠のない評価はモチベーションにも影響が出る。北陸放送では個人へのフィードバックがないことに対する不信もあり、目標面接制度を撤廃させている。

・年俸制の管理職は、通常時間外手当は支給されておらず、地震の時には早朝から深夜まで働いていたが、時間外は認められなかった。その後、違法ということが判り、会社側に変更を求めたところ、深夜に関しては支払われるよう改定された。

・時間外を付けなくて良い人は、「いつ来ていつ帰っても良い人」のみ。副部長は通常該当しない。また、時間外が支払われていなくても組合では把握しておかなければならない。勤務表をしっかりつけることが基本。

・富山テレビの厚生手当など、全社員が支給対象となるものは残業手当の計算に含めなければならない。

・3割近い人の賃金が下がるということは、「不利益変更」にあたり、法的には認められていない。「ベア0」は合法、「定昇凍結」は違法。一時金でプラスのみある査定ならばまだ良い。

・北陸放送では退職金制度を変更した。支給時期を55歳から60歳に変更し、運用利率を下げた。

 <闘争方法について>

・副部長の残業問題については、県の相談窓口に行くのも良いし、有志を募り(委員長名で)労基署へ申請する方法もある。労基署からは、「2年さかのぼって支払いなさい」という勧告が来て、その金額が億単位になることもあるので、調査の上で会社側に金額を見せるのも効果的。残業分がウェイト給などの評価給に含まれているというのは、残業代未払いに相当する。ただし、資格手当の中に、残業代10時間分が含まれているというケースは、就業規則に書かれていれば問題なし。協定を結んでいても合理的な理由となり、問題はないと思われる。

・テレビ信州の腕章闘争は、好決算にもかかわらずベア0の回答に対する組合の意思表示であった。結果、一時金は下げ止まり、深夜割増手当が増額、副部長の残業手当については「前向きに検討」との回答を得た。最近、地連内では腕章闘争は見られなかったが、組合の団結した強い意志を示す時には有効といえる。

・(残業が付かない)副部長を残業が多い部署に配属するなど、副部長の立場で不満があることと平社員の立場で不満があることが対極になる場合がある。そのときに組合としての統一したコンセンサスをとることが難しい。

 <労働環境について>

・36協定の特別条項が不利なままだと、万が一労災が発生した場合、組合も労災に加担したとして被害者側から訴えられる可能性があるので、できれば撤回をした方が良い。

・代休未消化の問題については、大事に至る前に少しずつでも改善すべき。

・新潟放送では、再雇用制度について「希望する者は全て受け入れる。ただし、職種については会社側で決めたい」という説明があった。会社に見切りをつけて中途退職する社員もいた。

地連新執行委員決定

定期大会では、2005年度の新しい執行委員の選出が行われ、高田新委員長(北日本放送労組)ほか12名全員が信任を受けました。賃金と命・生活を守る闘いはもちろん、地上デジタル放送や年金制度変更、定年延長など間近に迫った課題や組織力アップに向けた試みにも積極的に取り組んでいくことを確認しました。

役職名 氏 名 出 身 単 組
執行委員長 高田 亮二 北日本放送労組
副執行委員長 伊藤 春夫 福井テレビ開発労組
副執行委員長
(中央執行委員)
井出 真一 長野朝日放送労組
副執行委員長 小林 史武 福井テレビ労組
書記長 飛騨 豊 北陸放送労組
書記次長
(中央執行委員)
森 一剛 富山テレビ労組
執行委員 飯野 宣子 富山テレビ労組
執行委員 浦川 政治 テレビ金沢労組
執行委員 尾山 剛一 富山テレビ事業労組
執行委員 吉田 和祉 テレビ新潟労組
執行委員 原山 永士 テレビ信州労組
会計監査 坂上 寿史 テレビ新潟労組
会計監査 池田 吉宏 富山テレビ労組





大会アピール

近年まれにみる自然災害に見舞われた昨年に続き、今年、春に起きた列車脱線事故は、死傷者500名を超えるJR史上最悪の惨事となり、国民は利益追求に盲従する企業が引き起こした人災を目の当たりにした。さらに郵政民営化の是非を巡り、衆議院が解散、「強権」「刺客」などの言葉が飛び交う中で、政治の空白が招く弊害にさらされている。人々の暮らしに不安の影を落とす今、我々労働組合は、国民、視聴者の希望の光となるべく、福井にて民放労連北信越地連第68回定期大会を開催した。

北日本放送の地上デジタル放送開始に続いて、ローカル局でも地上デジタル放送への準備が佳境を迎えている。受像機が少しずつ売れ始め、視聴者の期待を感じさせる一方で、2011年までにアナログからデジタルへの完全切り替えが難しいと考える放送事業者の声が聞こえる。総務省から出た「光通信網を使った地上デジタル放送の配信の実証実験」も付け焼き刃感が拭えない。我々は、視聴者に対し必要以上の負担を強いる施策に疑問を投げかけなければならない。

放送の現場における人手不足、長時間労働に改善の兆しが見られず、デジタル開局の使命を帯びた労働者の疲労、悩みが悲鳴となって届いている。身体的・精神的疾患による長期休業のみならず、過労自殺につながる事例が目立ってきた。制度破綻が明らかな成果主義に固執する経営によって、労働者の倫理・意欲の衰退、放送の質の低下を招いている。身体と心の健康、集団的創造労働の魅力を取り戻し、視聴者が求め願う放送を守らなければならない。優越的立場にある放送局が経費圧縮を旗印に不公正な取引を関連企業・プロダクションに強いている。弱者へのしわ寄せを見過ごせば、視聴者の信頼を勝ち得ることはない。同じ放送文化の担い手として共闘し、正しき姿となるべく改善を求めていかなければならない。

有事法制に基づいた“指定地方公共機関”への指定は、放送労働者1人1人に波紋を広げた。国民の知る権利を侵すことなく言論・表現の自由を守り、真の平和・民主主義のあり方を見つめなおすきっかけとなった。我々は、いかなる権力からの圧力にも屈せず、報道機関としての独立・自律を保つ取り組みを進めていかなければならない。

これほど「企業の社会的責任」を考えさせられた年はない。それゆえに我々労働組合は責任を軽視し自覚の薄い社会を変えるべく連帯意識を高めた強い組織を作らねばならない。県民・視聴者に豊かな生活をもたらし、夢と魅力あふれる放送の歴史を紡いでいくためにも「放送の社会的責任を果たし、平和と公正を実現しよう!」というスローガンの下、邁進して行こう!


2005年9月4日

民放労連北陸信越地方連合会 第68回定期大会

以 上